インヨガ-ルが語る「陰ヨガ」の魅力

インヨガ-ルが語る「陰ヨガ」の魅力

【連載第四回】陰陽バランスを探る冒険と、それだけで幸せなこと。

綿本ヨーガスタジオで「陰ヒーリング」クラスを担当するGORI宮下先生、ヨガインストラクターでヨガワークスが発行する『YOGAPRESS』ライターである村上華子先生、ヨガスタジオ・ヨガマで「子宝ヨガ」を指導する西川尚美先生、「今日からはじめる陰ヨガ」編集者・長島恭子氏、日本語版DVD『ポール・グリリーに学ぶ陰ヨガ』プロジェクトマネージャーで翻訳アシスタントを務めたヨガワークス伊澤加菜子による陰ヨガ女子座談会が、銀座の某カフェにて行われました。


― 陰ヨガとの理想的な付き合い方ってあると思いますか? たとえば、インヨガールの皆さんが、陰ヨガをおススメしたい人物像ってありますか。

西川先生「アメリカで受けたポール先生の陰ヨガティーチャーズトレーニングには、アスリートや男性も多く参加していました。その中に、オリンピック出場経験を持つという男性がいて、彼は競技で行き詰っていた時、陰ヨガで壁を超えることができたと話していました。他には、ビクラムヨガを教えているヨガインストラクターが、何人かいました。アメリカだと陰ヨガは、”陽”の方々にウケがいいんですよね」

― “陽”の激しい動きで、筋肉を酷使しているアスリートにとっては、関節周りや結合組織を整える陰ヨガは、柔軟性UPも期待できて、身体が自由に動くようになるのが、体感しやすいツールなのかもしれないですね。

西川先生「アスリートじゃなくても、たとえば、アシュタンガヨガを練習していて、2年くらい経つと、大抵の人は、ポーズの上達に限界を感じ始めると思うんです。そういう時に陰ヨガを取り入れてみるのもいいと思います。気が付けば “ブレイク・スルー”してるかもしれません(笑)」

GORI先生「大切なのは、陰陽バランスだと思います。わたし自身、陰ヨガだけをプラクティスしていた時期がありましたが、さすがに弛み過ぎてしまった(笑)それで、陰ヨガだけでは、ダメなんだと気がつきました。逆に、パワフルな”陽”タイプのヨーガばかりをしていても、やっぱりダメなんだと(笑)なので、特にビギナーの生徒さんにとっては、ポーズができるようになることも、そこに達成感を見出すことも貴重な体験ですが、やり過ぎる前に、バランスよく陰の要素を取り入れてもらえるように指導したいと思います」

西川先生「同感です!」

― 陰と陽の要素は、バランスよく取り入れることが出来て、初めて機能するんですね。

村上先生「私も色んなスタイルのヨーガを取り入れたいと思っています。必ず、途中でカウントについていけなくなるんだけど、やっぱりアシュタンガヨガを欲する日もあるので(笑)でも、ポール先生のお話しの中で印象的だったのが、『ヨーガも食べ物と同じ。1つに限定することなく、色々なものを食べていいし、自分らしいものを選択すればいい』という考え方。すっごく嬉しくなりました。私にとって陰ヨガは、どんな状態の時でも受け入れてくれる、器の大きな存在です」

長島さん「ジョギングも”陽”の動きですよね。私はジョガーなので、ジョギング前後のストレッチやクールダウンに、陰ヨガを取り入れています。そうすると、良い状態がキープしやすいんですよね」

<写真>編集者という職業柄、原稿の〆切に追われるのが日常という長島さん。「頭の中が”絶え間ない思考”で一杯になっているビジネスマンにも、陰ヨガは有効です」

― 身体のサインを読み取って、取り入れるべき要素が分かるようになるのが、理想的ですね。

長島さん「私自身、原稿の〆切に追われる編集者という仕事をしているので、思うのですが、頭の中が”絶え間ない思考”で一杯になっているようなビジネスマンにも、陰ヨガは有効ですよね。西川先生もおっしゃっていましたが、忙しいと、どうしても精神的に”陽”に偏りがちになります」

GORI先生「それにしても、こうやってああだこうだと、客観的に自分のヨガライフを顧みることができる私たちって…(笑)それだけで、幸せなことですね」


なにかと忙しい毎日を生きる私たちにとって、陰ヨガは、マイベスト陰陽バランスを探る冒険のようなもの。冒険の目的は、ポーズが上手くなることでも、瞑想を深めることでもなく、ただ少しだけ、客観的に自分を見つめられるようになること、かもしれません。次回は、インヨガール的ホームプラクティスに着目します。